コワーキングスペース「新城WORK」

「はたらくことと暮らすこと」を豊かにするためのコワーキングスペースの設計を行いました。

今回オフィス空間によく見られる均一に明るくする手法は取りませんでした。
ここは共通目的を持った一つの企業とは異なり、各自がそれぞれの時間を過ごす空間である為、程よく分断されることが必要と考えたからです。

ワークスペース

作業平面上と作業視線上の壁面には必要な明るさをなるべくフラットな光であてつつ、通路部や壁面は最低限の明るさにすることで光と影によるパーティションを構成しています。

光の色温度は3500Kとし、昼夜を通して落ち着いた雰囲気を持たせつつ、集中力を高めるのに最適な白色に近しい色を設定しました。

新城WORK ワークスペース

ビッグシェード

またワークスペース中央に配置された庭は自然の生態系に近しい野原をイメージしたものです。実際に土を盛られ植えられた植栽は季節のうつろいとともに花をつけ、落葉し、新たな枝をつけます。

新城WORK ビッグシェード

窓が真西に向いており、自然光だけでは暗い部屋の中でこれらを育て維持していくために、照明による計画が不可欠でした。庭の上部には育成に必要な照度(10000Lx強)と色温度(4200K)を計算した照明器具を多灯配置しました。器具が露出した状態では部屋全体に光が広がり明るくなりすぎる為、空間の光を制御する為にシェードとルーバーで構成されたビッグシェードを制作してもらいました。 これにより光は庭の中のみに広がりビッグシェード周りのカウンター席に座った際も光源は視認できず、あたかもトップライトからの外光のように見えます。竣工後の照度を実測してみると、葉先の高い位置で17900Lxが得られているため、育成にも問題の無い値となりました。

ラウンジ

一息つくためのこの場所は、ワークスペースより照度(500Lx)と色温度(3000K)を下げ、落ち着いた雰囲気を作るようにしました。会話の中から新しいものが生まれることを促すようにじゃまにならない光を心がけました。

新城WORK ラウンジ

さいごに

今回の案件はリモートワークで自宅作業をしているサラリーマンや人との交流が少なくなっている方々に対して「はたらくことと暮らすこと」を再考するきっかけを提案する物件になったのではと感じています。光を整え制御することで、より良い生活をする為の一助となればと考えています。

「建築と社会の関係を視覚化する」新しいメディア「architecturephoto.net」に掲載されました。